少女像シリーズ、さいごはヘンリー・ダーガー(Henry Joseph Darger)です。前回のバルチュスが生前よく知られ「日の当たる」画家だったとするなら、ダーガーは「日陰に埋もれた」まったく無名の孤独な画家でした。1892~1973. 米シカゴで病院の清掃などの仕事に就き、独身者用アパートに暮らしながら81歳で亡くなりました。
写真:北島敬三
死後部屋から「1万5000ページ以上のテキストと300枚の挿絵など」が発見されました。「原稿15冊は、全てタイプライターで清書、7冊は製本済み、8冊は未製本。さらには物語を図解する絵を綴じた巨大画集が3冊、なかには3メートルを超える長いものも‥」(注記:「 」内=青字はWikipediaからの引用です)
没後半世紀、ダーガーはいまでは世界中多くの人に知られるようになりました。鉄路を描いたこんな画もありました。
ふと 千鳥の絶筆「けむり」を思い出します‥‥何の脈絡もないことは承知ですが‥。
「けむり」 ばんかたの空に / ぽつぽと / き江てゆく / きしやのけむり (大正十三年八月八日 夕 絶筆)
〈少女像シリーズはこれでおしまいです。〉