大正時代、死亡原因の上位を占めていたのは肺炎(及び気管支炎)や結核でした。千鳥の死因ははっきりしませんが、恐らくはこの肺炎か肺結核だったのだと推定されます。当時は出生率も死亡率の高いものでした。
1918年(大正7年 千鳥一歳)から1920年(大正9年 千鳥3歳)にかけて世界中で「スペイン風邪」というA型インフルエンザウイルスが大流行しました。死者は全世界で5000万人から1億人にのぼると推定されてきました。ウイキペディアに拠ると「日本でも39万人近く、劇作家・演出家の島村抱月や建築家 辰野金吾などが亡くなった」とあります。
それから百年、医学・医療は進歩しました。検査・診断・解析、医薬品や施術‥などなど治療法は広がり格段に進みました。死亡原因の上位も、悪性新生物(がん 肉腫)、心疾患、脳血管疾患などに変わりました。‥が‥しかし、です。
2019年、新型コロナウイルスにより感染症「COVID-19」がパンデミックを起こします。世界各国が対応に追われ、日本でも様々な対策・施策が取り組まれてきました。ただ、未知なるウイルスに対して十分に効果的で正しい対処が出来ているのかどうかは疑問です。答えはも少し先にしかわかりません。この間の政府や行政・官僚、学者・専門家 マスメディア・ジャーナリズムを見ていると 正直 右往左往しているばかりのようにも見受けます。医学・医療の専門化・細分化が必ずしも人間を救うことにつながっていないのではないかとの懸念も抱きます。「最近のドクターは聴診器も当てず、ちっとも患者の方を向かないで、PCモニターの数値ばっかり見ている」という声も聞こえます。「時代はくだって、数えきれぬほどの利便の増加を見たが、利便さゆえに人間が賢明になったという証拠はどこにも発見できない。」利便・進化の行き着く先が、頽廃・退歩なのだとしたら危ういことです。