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千鳥の世界

一りんさいたききょう

一りんさいたききよう

ききよう
ききよう
いつ生えた
四月か五月か六月か

ききよう
ききよう
いつさいた
ゆふべか朝か あけがたか
ききようききようかわいいな

大正十三年八月一日
七歳

「まだよのあけぬ」白濱砂の中に奇蹟のやうに一輪のききようが咲いているのを、
花好きの彼女は目敏く見つけて、暫く思ひ入つたやうにひざまづいて頬づりして
ゐたそうである。祖母はこの容子を見て、「また何か作るのかな」と思つて黙つ
て見てゐると、やがて右の詩を作つたさうである。(母 註)

カガシ

朝の月

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