優れた文章表現は、読み手にとって汲めども尽きせぬ泉であり、とめどなく噴出するマグマのようなものではないでしょうか。繰り返しの読み・反復をうながし、読むたびに新たな感興をもたらすとともに、さらなる解釈を求めます。田中千鳥の詩文もそんなひとつです。たけり狂うほどの荒々しさとは無縁、おとなしくおだやかです。一見するところ熱量もさほど高くなさそうですが、奥底に計り知れないエネルギーを感じます。その意味で“静謐なるマグマ”と名付けてみました。幽かな諦観・無常をはらむ危険物(低温火傷溶融体)=取扱注意物件でもありそうです。
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