優れた文章表現は、読み手にとって汲めども尽きせぬ泉であり、とめどなく噴出するマグマのようなものではないでしょうか。繰り返しの読み・反復をうながし、読むたびに新たな感興をもたらすとともに、さらなる解釈を求めます。田中千鳥の詩文もそんなひとつです。たけり狂うほどの荒々しさとは無縁、おとなしくおだやかです。一見するところ熱量もさほど高くなさそうですが、奥底に計り知れないエネルギーを感じます。その意味で“静謐なるマグマ”と名付けてみました。幽かな諦観・無常をはらむ危険物(低温火傷溶融体)=取扱注意物件でもありそうです。
関連記事
-
あめつちのうた
2022.08.07 -
編纂後記 古代子のベストワン
2020.04.19 -
自生 spontaneity
2020.08.30 -
写生
2019.03.24 -
お互の玩具 叔父:田中 暢
2020.04.12 -
死者もまた生きる
2019.09.15