Loading

千鳥の世界

7vs90 No.1 百年後の呼応

90歳の詩人 谷川俊太郎の詩集『どこからか言葉が』(以降《谷川詩集》と表記)と七歳半で他界した田中千鳥の『千鳥遺稿』を照らし合わしてみていきましょう。

大正十一年十一月 数え年六歳の千鳥が最初に書いた詩 「無題 カキ」

キノハノ ヲチタ / カキノキニ / オツキサマガ / ナリマシタ(實りましたの意) 大正十一年十一月(六歳)

この詩に照応するのは、たとえば、《谷川詩集》「コトバさん」のこんな一節です。

考えから生まれる詩は / ほとんど賞味期限が切れている

或いは、「GENESIS」のこんな連

はじめはなにもなかった? / そうだろうか / はじめからなにもかもあったのではないか / ただみえなかったしきこえなかった

また「見切る」のこんな箇所

君が思い描く未来を否定するつもりはないが / 言葉で描いたものを実現させるには / 抽象から具体への 観念から事実への / 気が遠くなるような難路を歩まねばならない

一世紀を隔てた詩人の呼応・交感・応答。あたかも、千鳥の詩を目にした谷川さんが語りかけ、説きかけ、解きかけているかのようです。(もとより ブログ管理人の勝手な妄想ですが‥)

kobeyama田中千鳥第一使徒

投稿者プロフィール

田中千鳥第一使徒

7歳 vs 90歳

7vs90 No.2 哀しみは哀しみのまま

関連記事

  1. 「空」「シロイクモ」‥

    2019.07.14
  2. 背反有理 ゆるぎなき遊び

    2021.10.03
  3. お互の玩具 叔父:田中 暢

    2020.04.12
  4. 背反有理 小さすぎて‥

    2021.09.05
  5. 「無題(カキノキ)」

    2019.06.23
  6. 言葉のG

    2019.10.20
PAGE TOP