先回、アイキャッチ画像に使ったのは、ハンガリー出身の写真家André Kertészの写真集『On Reading 読む時間』でした。解説には「1915年から1970年まで世界のあちこちで彼が撮影した「読む」ことに心を奪われた人々の姿を集めたものである。 「読む」という孤独な行為のもつ力と喜びを見事に表現している。」とありました。紹介した写真は、昭和の日本の車中を撮ったものです。「Nara (readers on commuter trains) 」というキャプションが付けられています。【アンドレ・ケルテス著 渡辺滋人訳 2013/11/11 創元社刊】 他今日は、他の写真も幾つか挙げてみます。
いずれも、管理人世代には親しく懐かしい光景ですが、果たして今の若い世代の皆さんにはどう映るのでしょうか。時代は変わりました。千鳥が生きた大正から昭和、平成、そして令和へ。百年は短いものではありません。とりわけこの数十年、デジタル技術によって生活や暮らしの風景は一変しました。令和の車中は、スマホ一色です。ということで千鳥が生きていた時代から姿を消したあれこれをシリーズで採り上げてながら、時代と文学表現についても考えていきたいと思います。しばしのお付き合い、よろしくお願いします。