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千鳥の世界

一筆啓上⑥(子供の世界)

子供を「幼稚で未熟な舌足らずの半人前」と軽くあしらう大人は昔からいました。「自修で書いて持っていった作品をすべて疑った」チドリさんの「受持女先生」もその一人だったのかもしれませんね。けど、子供をナメてはいけません。甘く見ては駄目です。子供には子供の身の丈、背の高さから見える現実・切実があるのです。それは時として、大人の情実・遠慮・斟酌・手加減・打算を超えて〈本当のこと〉を伝えます。「王様は裸だ」と指摘するのはいつも子供です。チドリさんのことばには、リアルが宿っている、それも無駄なく容赦ないリアルが‥そう思っています。それゆえに、〈文学のことば〉として、時代を超えて私たちに届くのです。

いうまでもありませんが、書かれたことばの前には、語られたことば・しゃべられたことばがあり、その前に経験されたもののすべてがあり、さらにその前には丸ごとの子供自身が存在します。チドリさんの書いた詩文は、自身の存在と経験のすべてが減衰することなく読み手に届けられた稀有な例の一つです。これは、〈文学のことば〉の必要条件でもあります。恐らく、母・古代子さんは、同じく文学を志す表現者として千鳥さんのことばに感応し、その力量を認めのでしょう。だからこそ、遺稿集を編んで出版し後代に遺そうとしたのです。文学的計算・野心とは無縁にすっと差し出された素のことば・生のことばには、この世(世界・世間)に肯定的に(精一杯 誠実に 必死に)向き合おうとする〈健康さ・清々しさ〉があります。厭世的にも懐疑的にもならぬ人間(子供)の原形質・原始がチドリ詩の魅力です。

 

kobeyama田中千鳥第一使徒

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田中千鳥第一使徒

一筆啓上⑤(ラスト・ワン・マイル)

一筆啓上⑦(伏流水)

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