千鳥が生きた1917~1924年(T6~13)、ラジオ放送はまだ始まっていませんでした。日本で最初のラジオ放送は翌1925年3月22日のことでした。以来百年、通信・放送メディアは様変わりしたことはご承知の通りです。令和の少年少女はラジオはおろかテレビも見なくなったようです。
電話はありました。逓信省の「逓信事業史」によれば、1890年(M23)に東京~横浜間での電話サービスを開始、1913年(T2)には日本の電話加入者は20万271件とあります。ただし当時の電話は、いったん電話交換手が受け、相手の確認を受けたのち手動で繋ぐ方式でした。
現代につながる自動交換機の登場は1923年関東大震災のあと、1926年のことでした。ちなみに全国の電話自動化がすべて完了したのは1979年のことでした。スマホ全盛の今、固定電話の利用はめっきり減りました。
人から機械へ。アナログからデジタルへ。間接から直接へ。生(なま)・直(ちょく)・ダイレクトの時代。かつてのマスメディア・マスコミはマスゴミと揶揄され、失墜しつつあるといわれています。
果たしてこれは進歩なのでしょうか。私たちは豊かに幸せになったのでしょうか。遥か彼方のどうでもよいニュースが直ぐに伝わり、身近な一番大事なものが遠く退けられていくような気もします。令和の今、通信メディアは「距離感覚の錯乱」「人間関係の攪乱」をもたらしているのでは‥と懸念します。杞憂ならよいのですが‥‥(今回は柄にもないことを書きました)