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千鳥の世界

母・古代子のこと:シングルマザー

古代子は、千鳥が生まれて間もなく実家に戻り、育児の傍ら旺盛な文筆活動に入ります。時代は変われど、今でいうならシングルマザーというわけです。もちろん今とは異なり、単独孤独な暮らしではなく、家族の支援もそれなりにありました。祖母クニが居り、弟たちも同居し、使用人も出入りする裕福な暮らしだったと思われます。ただ、文学仲間の評判はどうあれ、近隣周囲の目にはどう映っていたのでしょうか。神戸からやってきた青年画家との浮名、姦通罪での告訴、‥‥出戻りの跳ね返り娘、そんな声も聞こえてきたかもしれません。風当たりはそれなりに強かったのでないかと推察します。自身も病弱だったため祖母クニにも頼りながらの育児だったようです。子供と接する時間は長くありました。今のように保育園・幼稚園に預けるのでなく、母親こそが子供に一番近い存在でした。些細なこと・小さなことに目を凝らし、子供の成長を慈しんだ日々の中で、古代子は我が子の才能・感受性を見いだし、育むことが出来たのだと思います。孤立無援・無縁のまま、子供と離れ働かざるを得ない現代のシングルマザーの状況に比べれば、恵まれた時代・環境だったと言えるかも知れません。けれど、これだけは言えるのではないでしょうか。シングルマザー第一世代の子育てとし、古代子の育児は見事なものだった、と。

いつどんな時代にあっても、子供を枯れさせない、しおれさせない育児は、母親あってこそ。何故かって?子供の一番すぐそばにいるのは母親なのですから。

 

 

kobeyama田中千鳥第一使徒

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田中千鳥第一使徒

母:古代子のこと その三:母 ≦ 娘

大正という時代① メディア

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