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千鳥の世界

新酒と古酒

お酒にも新酒と古酒があります。琥珀色にかがやき熟成した深みを味わう古酒と、透明ではじけるような若々しさを感じる新酒。濃厚な香りvs清澄なのど越し。優劣ではありません。もちろん 古いから有り難いわけでもありませんし、新しいから良いとも云えません。文学も詩の世界も同じことです。千鳥の詩は、新酒です。いつまでもどこまでも初々しく爽やかです。老練の技や練達の作ではありません。当たり前のことしか書かれていません。その分、物足りなく感じる人もいることでしょう。子供ならあの程度の文は誰でも書けるよ、そう言われたことも確かにありました。けど、いざ書いてみようとすると、さほどたやすくないことに気づく筈です。これまでも何度か書いてきましたが、同じ山陰の地で、千鳥より少し早く生まれ活動した童謡詩人に金子みすゞが居ます。彼女が童謡を書き投稿し始めたのは二十歳頃からのことだったと云われています。みすゞの詩文には作意・文学的技巧が意識され反映されています。それに比べれば、千鳥の詩は原石・原酒です。繰り返しますが、どちらが良い悪いではありません。どちらも封印されてきた「未完の大器」です。とりわけ、千鳥には、「永遠の新鮮」を感じます。

今回のアイキャッチ画像は「杉玉」です。杉の葉を集めてボール状にし、酒蔵や酒屋の軒先に吊るされた飾り物です。蔵元に限らず、酒屋さんにも拡がっているので目にすることも多いようですが、そもそもは「今年も良いお酒が出来ますように」という願いをこめた願掛けの玉でした。それが、造り酒屋など「今年も新酒が出来ましたよ」と知らせる目印として青々とした杉玉を下げるようになり、季節を経ると枯れて茶色く変わっていくというわけです。

kobeyama田中千鳥第一使徒

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田中千鳥第一使徒

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