千鳥の詩はどれも小さい詩ばかりです。短いものは四行、長いものでも九行です。けれど、その小ささが不思議と人の心を捉えるのです。むしろ小さいからこそ心に残り、心のなかにいつまでも生き続けていくのかもしれません。目の前の小さな世界に注がれる小さな眼差し。人は大きなものに惹かれがちです。一 十 百 千 ‥万‥億‥兆‥京‥垓 ‥巨大数が果てしなく拡がる一方で、一 分(=1/10) 厘(=1/100) 毛=1/1000) 糸(=1/10000) ‥忽‥微‥繊‥沙‥塵‥埃‥渺‥漠‥模糊‥逡巡‥須臾(1/100000000000000)と小さい数も細かくどこまでも続きます。【アイキャッチ画像には参考に国際単位系を挙げています。】
小さいということの強み。千鳥の詩が時代の波の届かないところで静かにひっそりと輝き続ける秘密は、こんなところにもありそうです。