オテラも何度か出てきます。
『千鳥遺稿』から絵本には採らなかった‥『夕日』と題した詩。
「お寺のかねは / よくひゞく / こちらは もうはい(最早) /くらくなる / 山の上は夕やけで / 赤い夕日のひかりはきれい / 山には雪が まつ白だ」
さらにもうひとつ『夕べ』と題した詩。
「おてらまゐりの / かへりみち / 春のたんぼは / くれかゝる / とほくで ひゞく / 牛のこえ」
色の対比、音の描写、七歳にして千鳥の表現技法はしっかりと確立していることがよく分かります。
諸行無常なんて言葉は知らなかったでしょうが、遠く深くに沁みわたり、響き渡る言葉だと思いませんか?