チドリは、なみの詩をいくつも書いています。
寄せては返す繰り返し、永遠・悠久という言葉がすぐに浮かびます。私たちが暮らす地球という星が生まれた時から続いてきた営み。おそらくは生物が死に絶えこの星が消滅するまで続くことでしょう。大げさかもしれませんが、千鳥の波の詩を読むと、そんな遥かな時間が浮かんできます。
毎日のように浜辺を散歩していたであろうチドリ、家のうらの畑には波音が聞こえてきたようです。目にするだけでなく耳にする波、チドリの詩は聴覚の詩でもあります。視覚、聴覚、風を感じる触覚、‥彼女の詩は五感で感じるすべてを言葉にするものです。思わず「全身詩」と名付けてみたくなります。
最近は日の出や日の入り、海や波を見たことのない子供が増えている、という話を聞きます。風も匂いも、光も影も、影踏み遊びも知らず‥人工的に作られた世界で育ち生きる子供たちの狭さ・ひ弱さが気になります。そういえばコンビニの室内には病院の手術室のような影なき明るさを感じます。ちょっと怖いです。