知らないのに 知っている
初めてなのに 懐かしい
遠くから すぐそばで
小さくて 大きな力
チドリは古くて 新しい
このブログでは、田中千鳥の詩の世界に触発されて生まれた様々な声・言葉を発信していきます。
千鳥の詩には、知らない言葉・難しい言葉は一切出てきません。どこまでも平明・平易、あくまでも具象・具体の人。なにも抽象しません。意味や比喩、象徴や解釈といった表現上の作為や計算とは無縁です。なんだ、見たままをそのまま言葉にしただけじゃないか、そんなの誰にだって書けるさ‥そう思う人もいるかもしれません。しかし、そうではありません。そんな方は、残念ながら、言葉の力・文学の怖さに触れたことがないのだと云いたくなります。子供は、大人が思うほど幼稚でも素朴でもありません。どこか鋭く深く感受する力を育てているものです。余計な企みのない千鳥の言葉の「ゆるぎなさ・恐ろしさ」に交感して貰えると有り難いです。無垢・天真。無邪気・無辜‥、幼さ・ひよわさの奥にある千鳥の「強靭」、平明の向こう側に拡がる「しなやかさ」を感じとって下さい。自分の身の回り、目にする風景、自然描写がそのままその光や影、空気や温度・湿度までを丸ごと切り取って過不足なく提示される気持ちよさ・言葉の心地よさ・快感、その文学としての奥行を味わって戴ければ。